こっちを向いて、恋をして。


そんなあたしが、彼に好意を抱くことになったきっかけ。

それは……その日のうちにやってきた。


「ひかり!」

お昼休憩。
ポンっと、両肩に落ちてきた感触に振り返ると、優衣がいた。

「あっ!」

嬉しさに声を弾ませたのも、つかの間。

「新しいクラスはどう?」

ニコッと笑って、訊ねられた質問に、あたしは眉を寄せる。

「それがね、最悪。この前話した……アイツがいたの」

怒りを露わにしながら、出来るだけ小声で。

目線を“アイツ”の方へと動かした。


どうせ向こうは、あたしのことなんて気にしちゃいない。

そう思ったのに……、

「っ!?」

バッチリ目が合って、思わず肩を飛び上がらせる。

でも、もっと驚くことが、その直後に起こった。


「え……もしかして、石丸くん?」


何も知らないと思っていた優衣が、彼を見てそう言ったから。