こっちを向いて、恋をして。


結局、沈黙を破ったのは大西。

「……でっ!」

突然口を開くと立ち上がって、

「でねっ、これはそのお礼っていうか。うんっ!感謝の気持ち!」

泣きそうだったのが嘘みたいな勢いで、俺の机に紙袋を置いた。

「特別な意味とかないから!深く考えないで受け取って!」

にっこりと向けられた笑顔。それは、


「本当はこんなんじゃ足らないんだけど……ありがとう」


続けられた言葉の、最後の最後に崩れかける。


「……」

特別な意味はないって……言われても。

『ありがとう』なんて渡されたら、まるでこれが終わりみたいで、重くなる。

……いや、軽いのか。

大西からしてみれば、この袋の中に込めた気持ちは、今までよりずっと軽くなったのかもしれない。

重い気持ちはもう、圭太のところで。

だから、あいつとのことを話してしまったことに対しても、何とも思ってなくて。


何で怒らねぇのとか考えて、俺がイライラするのは間違ってる。


……でも。