こっちを向いて、恋をして。


「いつからって、今戻ってきたばっかだけど」

答えると、「あ、そうなんだ……」と、大西は少しホッとした様子で。

目に入るのは、机の上の紙袋。

「……圭太もそろそろ来ると思うよ」

別に言わなくても伝わってると思うけど、気を利かせて言った。

なのに、

「え……?」

こっちを向いた大西は、まるで俺が的外れなことでも言ったかのように、きょとんとする。

何で……。

「圭太のこと、待ってんじゃねーの?」

チラッと紙袋に目を向け言うと、

「あぁ……」

意味がやっと分かったように、返事して。

ほら……って思った、次の瞬間。


「あたしが待ってたのは、朝日だよ」


ずっと顔を逸らしてばっかいたのに。
真っ直ぐ目を見て、言われた言葉に息を飲む。


「……や、だってそれ」

言いながら、再び目を向ける紙袋。

今日は木曜日で、聞かなくても分かる。


中身は……大西の作った菓子。