こっちを向いて、恋をして。


多分、すごく余計なこと。
俺が言うべきじゃないこと。

他人のことに首を突っ込むとか、好きじゃない……はずなのに、


「大西、他に付き合ってる奴いるよ」


なかなか返事を返せずにいる姿に、気付いたら口を挟んでしまっていた。


そして……。




「今日、お前のクラスで何かあったの?」

圭太にそう聞かれたのは、放課後。
部活のウォーミングアップの、ランニング中。

「……何で?」

「いや、何かすっげー色んな人に、大西さんのこと聞かれたから」

「ふーん……」

「ふーんて!俺の質問の答えになってないんだけど!」

パシッと背中を軽く叩かれる。

何かあったかと聞かれれば、確かにあった。

授業中、大西がケータイを鳴らして、それを俺が庇って、成り行きでお前らの関係を喋ってしまった。

約2時間ほどの間に、噂は圭太の所まで到着してしまったようで。

決して無関係とは言えない……だけど。


「詳しい話は大西から聞いて」

何となく、自分の口から話すのは嫌だった。