クラスの人数は40人。
つまり、自分を除いて39分の1の確立。

もっと離れた別の席になる可能性の方が、ずっと高かったっていうのに、

何でこのタイミングで……。


あり得ない、気まずい、ツイてない。

俺が抱いた感情は、そっくりそのまま大西も同じだったようで。


両手を膝の上に置き、ピンと伸びた背筋。
目線は前の席の奴の、背中あたりに向けられていて。

緊張してます、気まずいです……って、顔に姿に書いてある。


……分かり易すぎ。

あまりに単純な大西の姿に、こんな状況だというのに少し笑えてきてしまって。

慌てて、窓の外へと視線を外した。



まるでマネキンみたいに硬直していた大西が、やっと動いたのはホームルームが終わってから。

それは、休憩時間。


「ひーかりっ!」

「ぎゃっ!」

聞こえた悲鳴と、バサバサと物が落ちた音に、思わず目を取られる。