こっちを向いて、恋をして。


考えたら胸の奥のあたりが、少し苦しいような気がした。

でも、それが何に対してなのかは分からない。


とにかくもう、俺には関係ないこと。

部活が終わったら、余計な光景を見る前にさっさと帰ろう……と、思ったのに。



練習試合の途中。
誰かに向かって手を振る圭太に、気付いてしまった。

その先にいたのは……大西。

隣には岩崎の姿。


校舎側の少し離れた場所から、大西は圭太に手を振り返していて。

それを見ていた俺と、不意に目が合ったのは……岩崎だった。





「お疲れさま」

部活が終わって、荷物を取りに上がった教室。

さぁ帰ろうと足を進めようとしたところで、声をかけられた。

目の前に立っていたのは岩崎。


「……」

少し驚いて、目を丸くしてしまっていると、「いきなりごめんね」と、岩崎は苦笑した。