こっちを向いて、恋をして。


「……圭太?」

なかなか追って来ない足音。
どうしたんだろうと振り返ってみると、


「忘れんなよ」


5、6歩ぶん。
少し開いた距離から、圭太が言った。


「今の言葉、忘れんなよ。後から返せっつっても、ぜってー返さねぇから」


にっこりと笑った圭太。
でも、その目は笑ってはいない。

まるで、俺のことを敵視して、宣戦布告でもするような言い方に、

「は……?」

驚いて、小さく口を開けた。


圭太の表情の、言葉の意味が、全くと言っていいほど分からなかった。

だから、何とも思ってないって、俺は言ってんのに……。