こっちを向いて、恋をして。


「……」

何を言ったのか分からない。
特に気になったわけでもない。

だけど、少し驚いたのは、


圭太に軽く手を振り、早足で俺の横を通り過ぎた大西の顔が、

赤らんでいるように見えたから……。


思い出すのは、昨日の大西の発言。

まさかと思いながらも、今見たばかりの光景に茫然としている……と、

「よっ!」

教室の中へ大西が入ったのを見届けてから、圭太が近付いてきた。



どちらが一緒に行こうと言ったわけでもない。

だけど、自然と隣に並んで、グラウンドへと向かう。

そして、それは……校舎から外に出て。


「俺、朝日に報告があるんだよね」

今日の練習のこととか、特にいつもと変わらないことを話していた圭太が、突然そう切り出した。


“報告”が何なのか、心当たりはある。

だけど、実際耳にするまで、信じられなかった。

だって……。


「気付いたかもしんないけど、大西さんと付き合うことになったから」