こっちを向いて、恋をして。


何でもいいから、今日はひとりで作りたかった。

あたしだけの想いを込めたくて。
あたしだけを見てもらいたくて。

だけど結局、比べられただけに終わってしまった。


何をやっても……朝日の前では優衣に敵わない。


やっとセミロングと呼べるまでに、伸びた髪も。
優衣を意識して、一生懸命伸ばしてることに、奴は絶対気付いていない。

そもそも、調理部に入ったのだって……。


悔しいくらい全部ぜんぶ、朝日のため。


朝日好みの女の子になりたくて、優衣を必死に追いかけてる。

それなのに……。


「ね、どうしてそんなに、石丸くんのことが好きなの?」

すっかり黙り込んでしまっていたあたし。
優衣の問いかけに「へっ?」と、口を半開きにする。

その表情が、あまりに不細工だったのか何なのか、優衣は苦笑しながら、

「ひかりがそんなに一生懸命になるの、珍しいから」

と、言った。