こっちを向いて、恋をして。


そんなあたしに対する朝日の返事は、

「自業自得」

「なっ!」

あたしの顔も見ず、重たげなエナメルバッグを持ち上げながら、さらっと言われた。

……いつも通り。

頬を膨らませ、朝日を睨みつけるけど、本当はすごくすごく嬉しい。

これだけで充分で。キスされて怒っていたことなんて、忘れていた……のに、

「大西」

バッグを肩に下げた朝日が、改めてあたしの名前を呼んだ。


和んでいた空気が変わる。
少しだけ張り詰めたものになる。


今度はあたしの顔を真っ直ぐ見て、


「日曜は……悪かった」


静かに朝日が謝った。


「ちょっと調子乗った。ごめん」

「っ……」

小さく頭を下げる朝日の姿に、胸の奥がきゅっと狭くなる。

「もっ、もういいよ!別に気にしてないから」

あたしは慌てて背を向けた。

だって……目頭が熱い。


素直になれないあたしに、朝日がどんな顔をしたのか分からなかったけど、「ありがと」と、小さく聞こえて。

足音が背中を通り過ぎた。