こっちを向いて、恋をして。


更にはこのタイミング。

気まずいやら申し訳ないやらで、一緒にからかわれる朝日の顔は、見れなかった。


何か、どんどんダメな方向へ進んでる気がする……。

「はぁ」と、もう一度ため息をついて教室へ戻ると、


「えっ……」

誰も残っていないと思っていた教室には、人がいた。


その人は……朝日。


「……」

朝日も、まさかあたしが来るとは思っていなかったのだろう、驚いた顔をする。

予想していなくて、どうしたらいいのか分からない。

とりあえず、逃げるように自分の机に向かおうとしたあたしを、

「……大西」

朝日が呼び止めた。


ドクンッと心臓が飛び上がって、ピタッと足を止める。すると、

「ケータイ返して貰えたんだ?」

「あ、うん……」

あまりに普通に話してくるから、びっくりした。

でも、嬉しい。
これって、チャンスかもしれない。

「か、返してくれたんだけどね、プリントやらされちゃって、こんな時間」

「酷くない?」と、問いかけてみる。

あたしも何もなかったように、普通に。

でも、すごくドキドキしていた。
怖かった。