こっちを向いて、恋をして。


「なっ……!」

やっとこっちを向いた朝日に、あたしは思いっきり“あっかんべー”をして。

そしてそのまま、教室を飛び出した。


どうしてあんなに態度が違うわけっ!?
確かにあたしも余計なこと言ったけど!

謝りたいという気持ちは、一瞬にして悔しさに。

全然女の子扱いしてもらえない。そんな自分が悲しくなる。


バタバタと、大きな足音を立てて階段を下ると、

「あっ、ひかり」

玄関に着く直前で、優衣に追い付いた。


「その様子は、またいつもの感じ?」

苦笑しながら訊ねられ、力なく頷く。

「グミは?」

「えっ?あっ……」

そういえば、朝日の机に袋ごと置いたままだ。

もともと彼にあげるために作ったものだから、忘れたところで特に問題はないのだけど。

「何も言わないで置いてきちゃった……けど、逆に良かったかも」

だって『全部あげる』って、語尾にハートマークを付けて言ったところで、『いらない』って言われるのは、目に見えてる。