こっちを向いて、恋をして。




『付き合って貰えばいいじゃない。中村くんの言うこと、一理あると思うよ?』

予鈴が鳴って、自分の教室へ。

優衣のクラスを出て、トボトボと廊下を歩くあたしの口からは、自然とため息が溢れる。

だって、まさか優衣に『付き合って貰えば』なんて、中村くんの提案を後押しされるとは思わなかった。


自分ではそんなことしたって、全く意味ないと思う。

でも、第三者から見れば、そうでもないのか……それとも。

勝ち目が全くないとしても、もうそのくらいの駆け引きをしなきゃ、無理……ってこと?


「……はぁ」

うん。それが一番有力。

優衣も中村くんも、ハッキリとは言わないけど、この恋あたしに勝ち目はほとんどない。

ここは一旦、中村くんと付き合ってみるとか、意味のわかんないことをしなくちゃ、形勢はひっくり返らないのかもしれない。

……けど。