「た、試す……?」
「そ。俺と付き合ってるって言ったらさ、朝日がどんな反応するか気になんない?」
「気になるも何も……」
そんなの『ふーん』って感じで、軽く聞き流されるのがオチだ。
まぁ、中村くんは朝日の友達だから、多少驚いた顔はされるかもしれないけど。
とにかく、試すほどの価値はない。
あたしは本気でそう思ったのだけど、
「俺は大西さん、脈ナシでもないと思うんだよね」
と、中村くん。
あたしは3秒ほどフリーズしてから、「はっ⁉」と、声を上げた。
「ちゃんとさっきの話聞いてた!?」
「聞いてたよ」
「じゃあ!」
どこのどの部分を聞いて、そんな判断に至ったのか。
ガタン!
椅子から立ち上がり、問い詰めようとした……の、だけど、
「オトコって意外と単純だから」
中村くんの言葉に、遮られる。