こっちを向いて、恋をして。




「えーっと、照り焼きバーガーのセット、コーラで!」

「……」

学校から少し離れた、某ファーストフード店。

カウンター越しの店員さんに向かって注文するのは、中村くん。

その様子を一歩後ろで見ていると、ぐるんといきなり振り返って。

「大西さんは?」

「え、じゃあ……オレンジジュースで」

「他には?」

訊ねられて、ぶんぶんと首を横に振る。すると、

「じゃ、以上で!」

中村くんは、ズボンの後ろポケットから、財布を取り出した。



「あの、本当にいいの?」

「何が?」

照り焼きバーガーのセットが一通りと、オレンジジュースの乗ったトレー。

それを運ぶ中村くんに、「お金」とひと言答えると、「ジュースしか頼んでないじゃん」と、笑われた。


放課後、学校帰りに中村くんと寄り道。

想像もしてなかった展開になってしまったのは、あたしの発言がきっかけ。