こっちを向いて、恋をして。


「マジで貰っていいの!?」

声を弾ませ、中村くんはブラウニーを受け取って。

「ねぇねぇ食っていい!?」

「別にいいけど……」

廊下の真ん中だというのに、包んでいたラップを広げると、口の中にひとつ、そのまま丸々放り込んだ。

そして、

「ふっめ!」

やたら篭った声。
まだ全部飲み込んでいないのに、感想。

「や、先に食べなよ……」

あたしが言うと中村くんは頷いて、もごもごと大きく口を動かして。

その姿が何だか面白くて、あたしはクスッと笑った。


それから……ちょっと嬉しかった。

あたしの作った(正確に言えば優衣だけど)お菓子を欲しいと言ってくれて、とても美味しそうに食べてくれる姿が。


あたしの胃袋に行くか、無駄になってしまうかもしれなかったブラウニー。

一番食べて貰いたかった人は朝日だけど、こんなに喜んでくれるなら、あげて良かったと思った。


そう言えば、この前優衣がプリンを渡した時も嬉しそうにしていたっけ。

なんて、思い出していると、