こっちを向いて、恋をして。


「……」

また、急に静かになる室内。

頭の中で中村くんの残した言葉が響く。


明日渡せるといいね……って。

渡せる自信、とてもない。


ほんの少し考えれば、今日は待っていないかも……と、思うのが普通。
だけどもあたしは、一切そんな風に考えていなくて。

朝日が待っていてくれなかったこと、先に帰ってしまったという現実に、想像以上にショックを受けてしまってた。


せっかくの、ハート型のブラウニー。

だけど、あたしの気持ちは朝日には届かない。


ギュッと下唇を噛んで。

あたしは教室を飛び出した。

……そして。


「中村くんっ!」

急いで声を張り上げると、廊下の先を歩いていた中村くんは振り返った。

あたしはすかさず小走りで近付いて行き、

「これ、やっぱあげる!」

ブラウニーを差し出した。


「……え?」

中村くんは目をパチパチ。

理由を訊ねるみたいに見てくるから、何となく気まずくて、目を逸らす。

すると、