こっちを向いて、恋をして。


「おっ、おはよう!」

慌ててあたしが挨拶した相手は、朝日じゃない。

教室の片隅。
ひとつの机を囲むように集まった、クラスメートの女子3人。

「あ、おはよー」

「遅いじゃん、ひかり」

「どうしたのー?」と、問いかけられ、

「んー……寝坊!」

後頭部を触りながら答えると、ドッと笑いが起こった。


とてもあっさり入ることが出来た、友達の輪。

ホッとしたようで、ドキドキしていた。


……たぶん、初めて。

好きだと意識してから初めて、あたしは朝日を拒絶した。


どうしよう……。

友達に向かって愛想笑いを浮かべるも、あたしの全神経は背中へ。

これでもまだ近付いて来たりしたら、話しかけられたりなんかしたら、どうしよう……って、そんなことを考えていた。


だけど本当は、近付いて欲しかったんだと思う。……話しかけて欲しかった。

じゃないと、きっと……。