こっちを向いて、恋をして。


みんな教室内に入ってこそいるものの、先生が来ていないことをいいことに、休憩中と何ら変わらずガヤガヤしていて。

いつもと変わらない光景。

何だかホッとしながら、あたしは目線を動かした。


窓際の、一番後ろの席。

窓の外を見ているか、本やら教科書やらをめくり、机の下を向いているのがお決まりで。

目が合うことなんてないと思っていた。

……なのに。


ビクッ!

思わず一歩、片足を後ろに引く。

えっ、ななな何でっ!?

頭の中は大混乱。
何故なら、ばっちし目が合ってしまったから。

しかも、あたしの視線に気付いてから、こっちを向いたんじゃない。

朝日は最初から、こっちを見ていた。


そして、


ガタン。

騒がしいのに、椅子を引いた音がやけに耳に響く。

朝日は突然立ち上がると、

こ、こっちに向かって歩いて来る……!?


「っ……」

顔面は一瞬にして、とんでもなく熱を帯び、そのまま堪えることなんて、とてもじゃないけど出来なかった。