「すごいね、朝日! めっちゃ綺麗だね……って」

同意を求めて、朝日の方を見た。
だけど、さっき驚きの声を漏らした彼は、もう窓の外を見ていない。

じゃあ、どこを見ているかというと……床。

俯いた朝日の顔は強張って、心なしか青くなっているような気もする。

……もしかして。


「本当に高所恐怖症だったりする……?」


躊躇いながらも聞くと、朝日は睨みつけるような目で、無言のままあたしを見た。

その顔、つまりは図星……ですか。


あたしは一度ポカンとした後、「ぷっ」と思わず、吹き出した。

当然「何だよ」と言わん目で、こっちを不機嫌そうに見る朝日。

だけどあたしはクスクスと、ここぞとばかりに笑う。

「怖いなら、怖いって言えばいいのに!」

「怖いとか誰も言ってねーし」

「そう? じゃあ、ちょっと揺らしちゃおっかなー?」

「わっ、ちょ! やめろって!」