こっちを向いて、恋をして。


あ、やば。やっちゃったかも……。

「朝日っ」

機嫌を取ろうと慌てて声をかけようとした……その時、「どうぞー」という、スタッフの声。

見れば、列は知らぬ間に進んでいて。

あたし達を置いて、もうすぐ乗り場へと辿り着こうとしていた優衣は、小さく笑って、手にしていたケータイを振った。


バイバイ?……じゃ、ないか。

あたしも前へと進みながら、ケータイを取り出してみる。

すると、LINEが1件来ていた。

相手は優衣。
メッセージの内容は、

【大チャンスだね。頑張って】

と、語尾にハートが3つ。


「……」

いつもなら、例え朝日が隣にいようとも、ガッツポーズなんかして、力強く応えてる。

だけど今日は、薄ら笑いを浮かべて、小さく頷くことしか出来なかった。


優衣が……とても幸せそうな顔をして、直大さんと観覧車に乗り込んでいくから。

隣で同じ光景を見てる朝日の気持ちを思うと、胸がキュッと狭くなった。