こっちを向いて、恋をして。



それから、ハンバーガーやホットドッグを買って、テラス席で昼食を済ますと、絶叫系以外のアトラクションは、ほぼ制覇した。

明らかな子ども向けと、ひとつの大きな乗り物を除いて。


目に入らないわけがない、遊園地の中でも一際目立つそれに、今まで誰も『乗ろう』と言い出さなかったのは、“最後に”という、暗黙の了解。

日が沈みかけて、空がオレンジ色に染まって。

お土産とか、一通り買い物を終えてから、「乗らない?」と、指差してはにかんだのは、優衣だった。


何人もの影を乗せて、ゆっくりと回る。

いつの間にかライトアップされていたそのアトラクションは……観覧車。



何となく、予想はしていたけれど。

「何名様ですか?」

という、スタッフのお姉さんの言葉に、場が一瞬静まる。

「えーっと……」

チラッと振り返り、あたし達に目を向ける直大さん。

……何だか、気まずい。
優衣と直大さんは、もちろんふたりで乗りたいんだろうけど……そうなると、あたし達は。

そっと朝日の顔を確認しようとしたつもりが、バッチリ目が合ってしまって。

ドキリとして顔を逸らした、瞬間。


「せっかくですから、岩崎さんとふたりでどうぞ」

返事したのは、朝日。