「ひかり、石丸くん、この後お昼にしない?」
くるんと突然、こっちに振り返った優衣。
ふわっと膨らんだワンピースの裾と、穏やかな微笑みは、まるでお姫さま。
朝日は、お姫さまを守る騎士みたいに、優しく微笑んで頷いた。
心の中の疑問をぶつけられなかったのは……たぶん、気づいてしまっているから。
優衣と直大さん、ふたりの邪魔にならないように、さり気なく開けられた距離。
幸せそうな優衣を、後ろから見つめる朝日もまた、幸せそうで。
朝日はきっと……優衣の笑顔が見たかったから、優衣の恋を応援した。
……じゃあ、良かったじゃん。
ふたりがくっ付くことは、この先なさそうだし、ちゃんと諦めようとしてる。
だったらもう、何も心配することないじゃん……って、思うのに、
心の中はさっきよりも、もっともっと苦しい。
相手の幸せを願うなんて、大きすぎて。
朝日の気持ちが、思ったよりも大きくて……苦しい。



