こっちを向いて、恋をして。





トイレから戻ってきて。
次のアトラクションへと向かうため、歩き出したあたし達。

優衣は、指定席みたいに直大さんの隣を歩いて。

その少し後ろを、あたしと朝日が並んで歩く。


「もう体調大丈夫なの?」

聞くと、「あぁ」と短い返事。

「あの……」

「何?」

「何で……」

言いかけて、「やっぱり何でもない」と、口ごもる。


ねぇ、何で?

何で優衣の恋を応援しちゃって、嬉しそうな顔をしてたの?

会話の内容、最悪じゃん。
普通、他の男とのそんな相談、受けたくないでしょ。

受けたって、ふたりの仲を取り持つようなこと、わざわざ言ったりしないでしょ?

ねぇ……どうして?


優衣は直大さんとの会話に夢中で、言おうと思えば言えた。

心の中の疑問を、そっくりそのまま朝日にぶつけられた。

それなのに、言葉に出来なかったのは……。