こっちを向いて、恋をして。


パッと想像したのは、本当に他愛もない話。

例えば、好きな食べ物……ってことは、優衣の場合はないだろうけど、部活のこととか。

だからすぐ、普通に返事が返ってくるものだと思ってた。

だけど、


「……この前、ひかりに相談したでしょ?」

「ん?」

「ほら、直くんとの……ことで」


恥ずかしそうに顔を赤らめ、俯く。

そんな優衣の様子に、目をパチクリ。


この前あたしに相談した、直大さんとのこと……。

それって……まさか。


「きっ、キスしてくれないとか、朝日に言ったのっ!?」

「ひかり声が大きい!」

人差し指を顔の前に立て、“しー”っと優衣がする。

「さすがにそんなハッキリとは言ってないよ。ただ、男の人って彼女とか、好きな人が近くにいたら、触れたくなったりしない?……って、話をしただけで」

「……」

それ、問題発言。
問題の中の問題、大問題。

何故なら、朝日は優衣のことが好きで。

その本人が、『好きな人に触れたくならない?』……なんて。