こっちを向いて、恋をして。


それだけ?って、聞くのも変だけど、

「えっと……それだけ?」

聞かずにはいられなかった。


だって、わざわざこうして連れ出しておきながら、“力になれなかった”とか、そんな平凡な理由のはずがない。

いいから、早く言っちゃってよ。
石丸くんの気持ちに気付いてしまったんだ……って。

ほんの数秒前まで、聞きたくないと思っていた内容を、今度はじっと話してくれるのを待つ。

だけど、


「それだけって言えば、それだけなんだけど……」

目の前の優衣は、キョトンとした顔をして、そう言った。

予想外。

思わず「えっ!?」と、声を上げてしまったあたしに、

「だってひかり、さっきからあまり元気なかったでしょ? だからてっきり、あたし達が話した内容を気にしてると思ったんだけど……」

「違った?」と、首を傾げられ、あたしの思考は一度ストップする。