こっちを向いて、恋をして。


「さっき、石丸くんとふたりになったでしょ……?」

遠慮がちな優衣の言葉が、胸の奥をざわつかせる。

「その時にね、せっかくだからひかりの話をしようと思ったんだけど……」

待って。
まだ聞きたくない。

だけどその思いは、言葉にならない。


きっと、気付いてしまったんだ。
とうとう優衣も、朝日の気持ちに。

だから、ごめん……って。


分かってしまっても、覚悟しきれない。
かと言って、逃げ場所なんかどこにもなくて。

目をギュッと閉じ、身構えた。そんなあたしに優衣が口にした言葉……それは、


「結局、あたしの話ばっかりしちゃって」


……。

うん、それで……?

なんてはっきりは口にしないけど、続きを求めるみたいに優衣を見る。すると、

「だからね、何ていうか……力になれるようなことは、全然話せなくって」

「ごめんね」と、優衣は付け足した。