こっちを向いて、恋をして。


シュワシュワ。
一見ただのアップルサイダーのようで、ほんのり香る紅茶の風味。

話のネタに……なんて思って選んだのに、あたしの口が感想を話すことはなかった。


ぼんやりと話を聞いて、頷いて。

さっきまでとは明らかに、下がってしまったテンション。


気付かれない……はずがなかった。



「じゃあ、そろそろ動く?」

そのままベンチで暫く休憩してから、立ち上がった直大さん。

すっかり良くなった様子の朝日も、頷きながら立ち上がって。


あぁ、これでやっと。

アトラクションのひとつでも乗れば、このモヤモヤした気持ちも少しは紛れるかな……って、ホッとした。

だけど、

「ちょっとごめん」

言ったのは、優衣。

「お手洗い行ってきてもいいかな?」

と、控えめに微笑むと、

「ひかり。ごめんけど付き合って」

未だ座ったままのあたしの手を軽く引いて、立ち上がらせた。