こっちを向いて、恋をして。


「あ、はい……」

何だそういうことか……って、胸を撫で下ろしたのも束の間。

「……」

ん?……ちょっと待って。
あたしに頼んだって、それって。

慌てて目の前の状況を確認すると、直大さんは優衣と朝日に、何が欲しいか聞いていた。

ちょっ!やっぱり!?
待って待って!

「あ、あのっ……」

「ん?」

咄嗟に声をかけたあたしに、直大さんはクエスチョンマークを浮かべて振り返る。


……い、言えない。

朝日と優衣を、ふたりっきりにさせたくない、なんて。


「……行きましょうか」

心の奥底にドロドロ渦巻く気持ちを、あたしは必死に隠して、笑った。


仕方ない。

だって直大さんは、純粋にふたりを心配して、動こうとしているだけ……なんだから。