こっちを向いて、恋をして。



「まさか朝日も苦手だったなんて……」

ポツリあたしが呟くと、ベンチに座り、ハンカチを口元にあてた朝日は「うるせー」と、微かに言った。

今、どんなに反抗的な態度を取られても、からかう気になれない。

だって、まだ顔は青いままで、本当に気持ち悪そう。

こんな朝日、初めて見た。


「大丈夫? あ、あたしアメなら持ってるよ。ちょっとは気分治るかも……」

言いながら、朝日の隣に座る優衣が、カバンから飴玉を取り出す。

コロン……と、ふたつほど朝日の手のひらに転がって。

「悪りぃ……」

あたしとは随分違う素直な反応を、朝日は優衣に向けた。

その時、

「ひかりちゃん」

「はいっ!?」

直大さんの声が急にあたしの名前を呼んで、ビクッと肩を跳ね上がらせる。


やばっ!今あたし、あからさまに嫌な顔とかしちゃってた!?

咄嗟に不安になる。だけど、

「何か飲み物買ってこようと思うんだけど、ついて来てもらってもいいかな?」

と、普通に微笑まれた。