「それじぁ先輩さようなら~」 逃げきれたことが嬉しくだらしなく緩み出す頬を気にも止めず、木から飛び降りた。 フワッとしたあの不思議な感覚に犯されながらも、地面に着地する。 「よっと、ふぅ~。今どきの若者は根性が足りんのだよ」 と、未だに三階の窓からこちらを見て騒いでいる小林先輩を見て言う。 まぁ、あたしも今どきの若者だが。