ほどよい低い声が聞こえた。 机に伏せてたあたしは顔を上げ、声を出した本体を見た。 「あっ、あー……誰でしたっけ…?」 いつまでたっても物覚えの悪いあたし。 可愛い人とかなら覚えてるけど、流石にこんなイケメンのお兄さんを見た記憶はない。 「今朝あっただろ!」 それに昨日も。と付け足した人を改めて見る。 見ただけで相手を、人一人を殺れる程の眼力……。 「あ!思い出した!大林先輩だ!!」 「誰が大林だ!俺は小林だ!!」