「何いってん、離すわけねぇーよ」





そう言いながら、無邪気に笑う先輩。





「……っっ!」




不覚にも見惚れてた……。





ダメだダメだ。
こんなんで、いちいち顔を紅くしてたら“ゲイ”って思われちゃう!!







「せ、先輩…、次の授業移動教室なんでそろそろ離してもらっても――」





「だから、無理だっつーの。離すわけねぇーじゃんか」






「え、と…授業が…」



これは逃げたくて言っているウソではなく、本心からだ!
授業をサボったことをお母さまに知られたりしたら……!





「はぁ?んなの一緒にサボるぞ」






やめてくださいー!
あたしを死なせる気ですか?この先輩!