――深夜1時。 酔い醒ましのコーヒーを飲みながら、ガトーショコラを焼き中。 キッチンと部屋を遮る硝子の格子戸の向こうでは、井ノ原さんが眠ってる。 香椎さんとかなり飲み、上機嫌で帰宅した彼は、私を押し倒した瞬間に眠りに就いた。 一瞬、白けたけど、疲れてるんだと思う。 私がガチャガチャ物音を起ててても、全く起きる気配がないんだもん。 それに……彼女さんが、ついて行ったみたいだし。