どれぐらい走っただろうか



徐々に見えてくる背の低い建物



そして大きな通り



人の姿はなかった。


車も、車が通る道路も、ましてや明かりなんてない



「な、なんだよ..これ...」





古い建物、古い町並み



これじゃまるで..


「江戸時代じゃねぇかよ...」




ペタンとその場に座り込み、頭を抱えてしまう



まさかまさか..


「タイムスリップでもしたっていうのかよ?」



スマホを見ても未だに圏外


そしてこの街並み..



ひんやりとした汗が身体中から噴き出てくる


不安がピークを迎えたときだった


「ねえ、君そこでなにしてるんだい?」