随分、たっただろう



目を開けば、そこは知らぬ場所



抜けるような青空にタンポポの綿毛のようなものが宙を舞い、草たちが生き生きと茂っている場所に俺と真夏はいた




「春...」



俺の名前を呼びながら俺の服をギュと握る真夏は寝息をたてながら安らかな表情をして寝ているようだ



よかった...


本当によかった


彼女を取り戻せて



俺も真夏の小さい手に重ねるようにして手を握る

二度と離さない