幕末パノラマ






「別に何も...でもただ..」



そこで言葉をぐっと飲み込む俺




「ん?なんだ?」




「いや、なんでもないです」



言えない


真夏が泣いてた



美しく儚く泣いてたのが悔しかったなんて



この人に言えるわけない



「そうか、....なあ、お前は知ってたか?」



「何をですか?」



コトンと音を立てて筆を置く土方



「山南さんが腕を斬られる事をだ」