幕末パノラマ





「春!もう起きてたんですか!」


パタパタと廊下の向こう側からこちらへ走ってくる人影



「総司...さん」




「嫌だな、”さん”なんていりませんよ、総司って呼んで下さい」



近くまで寄ってきた総司の鼻の先端は少し赤みを帯びており、俗に言う霜焼け寸前だった



「じゃあ、総司、俺に敬語なんでいいよ。多分、総司より年下だと思うし」




「え?春って一体幾つなんですか?」



「十八。」


多分、そうであろう先月の11月に誕生日を迎えたばかりの、高校三年



「ええっ!?僕より三つも年下!?」



驚いた声を開けながら布団に身を包む俺の顔を覗き込む総司



「え、俺ってそんな老けて見えんの?」




「い、いや、なんか雰囲気が大人びてたから、同い年が一つ上かと思ってた」