幕末パノラマ





「旦那はん?」


ぼんやり真夏の事を考えていたら一人の芸子が俺の顔を覗き込みなごら話しかける




「あ、えっと..すいません」



ハッと我に返り、咄嗟に謝る



「ふふっ、ええですよ?何を考えていらしたんですか?」



まだ幼さの残る顔で微笑む彼女、芸名はお鳥(おちょう)さん




この部屋で飲んでからずっと俺の隣でいろいろな話をしてくれる子だ




「ちょっと、ある人の事を考えていて..」



「それは..旦那はんの想い人どすか?」




「う、え!?あー、まあそんなとこですか..ね」



図星をつかれてしまい、口ごもってしまう俺




そんなに..顔に出ていたかな?


センチメンタルになってた俺に少し羞恥してしまう