「どうぞ。」
と、出されたそれは
褐色色した飲み物だった。
「えっ……?これ珈琲……」
「ええ、カフェオレです。
そのーーー何となく、若い女性は
珈琲を飲まないんじゃないかなと。
だから貴女もそうかなとって
根拠のない偏見ですね。
何れにしても生憎、紅茶は置いてないので……
あっ、カフェオレに入れた牛乳は
古くないです。
丁度、昨日、買って
ストックしておいたものです。
えっと、その……念のため。」
「クスクス…………ありがとうございます。」
その人のさっきまでの
イメージとは違って
慌てた様子につい、口元が緩む。
私は飾り気のない真っ白なカップを
両手で包み込んだ。
すっかり冷たくなっていた手のひらに
じわりとその温度が広がってゆく。
そして、猫舌の私は用心深く
カップに口を付けた。
「あっ、甘い……。」
「はい、少し甘めにしてあります。」
私は温かいものが体全体に
流れて行くのを感じながら
もう一度カップに口を付けた。
店内に音はなく、
ただ珈琲の香ばしい薫りが
広がっているだけだった。
窓の外を見ると更に
雪は強くなっていた。
と、出されたそれは
褐色色した飲み物だった。
「えっ……?これ珈琲……」
「ええ、カフェオレです。
そのーーー何となく、若い女性は
珈琲を飲まないんじゃないかなと。
だから貴女もそうかなとって
根拠のない偏見ですね。
何れにしても生憎、紅茶は置いてないので……
あっ、カフェオレに入れた牛乳は
古くないです。
丁度、昨日、買って
ストックしておいたものです。
えっと、その……念のため。」
「クスクス…………ありがとうございます。」
その人のさっきまでの
イメージとは違って
慌てた様子につい、口元が緩む。
私は飾り気のない真っ白なカップを
両手で包み込んだ。
すっかり冷たくなっていた手のひらに
じわりとその温度が広がってゆく。
そして、猫舌の私は用心深く
カップに口を付けた。
「あっ、甘い……。」
「はい、少し甘めにしてあります。」
私は温かいものが体全体に
流れて行くのを感じながら
もう一度カップに口を付けた。
店内に音はなく、
ただ珈琲の香ばしい薫りが
広がっているだけだった。
窓の外を見ると更に
雪は強くなっていた。



