今度こそ、
スマホをしっかりと手に持ち、
オフィスを後にした私は
駅までの道のりを課長に貰った
棒つきキャンディを口に加えながら
歩いていた。


こんなのいつぶりだろう……。


キャンディの味は甘くて甘くて、
そんなに甘党ではない私には
少々キツかったけど、
それでも残業の疲れが少しは
取り除かれる気がした。


きっと、
この調子だとクリスマスも残業に
違いない。
だけど、
不思議と嫌じゃなかった。
むしろーーー


今度は私が用意しよう。
課長が好きな棒つきキャンディ。
何味にしようかと考えると
楽しさも少しは出てきた。


夜空に浮かぶ三日月を眺めながら、
課長は私がキャンディを
持っていくとまたあんな目を
してくれるだろうか?
そんなことを考えては
家路を急いだ。


クリスマスも恋も
もうそこまでやって来ていた。