「最低だった。本当にごめん!じゃああたし行くから!」 「えっ、おい……」 いきなり頭を下げたかと思ったら、 すごい勢いで教室を飛び出していった三枝。 表情は見えなかったけど、 走り去るとき顔に手を当てていた。 もしかして、泣いてる……? 考えるヒマもなく、 1人教室に取り残される俺。 シーンとした空気が痛い。 教室にいた生徒全員が、 俺たちのやりとりを見ていたはずだ。 ……あんな大声で言い争いなんかしてたから。