青葉のことが好きなのに、あたしは別れ話に何も言わずに頷いた。 後悔してももう遅いのに、なんであのとき“別れたくない”って言わなかったのか、そんなことばかり考えてるんだ。 ――シャラッ 「……!!」 手を動かすと揺れるブレスレットは、あたしの心を締め付けるだけなのに、外すことができないでいた。 だってこれは、唯一青葉があたしにくれたものだから。 あたしが青葉に愛されていた、証だから――……。