「もちろん、違うよね。流はあたしを待っていてくれたんだもんね」 俺は何も言えなかった。 いつも俺の隣には三枝がいて、蜜のことなんて忘れられていた。 俺のためにも三枝のためにも、忘れようとしていた。 幸せだった。なのに――……。 「付き合ってくれるんだよね、流。あの頃みたいに」 「蜜、俺は――……」 「もうわたしは、弱くないから」 出掛かっていた言葉を、のみこんだ。