「頼むから、泣くな」 「……っ……!」 俺のせいで三枝が泣いてるんだよな。 ……ごめん。ごめん三枝。 泣き顔を見ていたら苦しくなって。 「ちょ、っ青葉!?」 気づけばベッドから身を乗り出して、 椅子に座る三枝を抱きしめていた。 驚いて動こうとする三枝を抱きしめる腕に、 力を入れる。 「いいから、じっとしてろ」 「えっ、でも、あ、青葉……っ」 「泣き止むまで、離さないから」 「……!!」 調子狂うから、胸が痛くなるから、泣くな。