そしてその翌日、僕の授業が終わる時間に合わせて、祖父が小学校の近くまで迎えに来ていた。 僕らは他愛ない会話を交わしながら施設を目指す。 施設の門の前までくると、僕は緊張しているのがバレないように静かに息を吐く。 すると隣からも息を大きく吐くのが分かった。 祖父を横見る。祖父もきっと緊張しているんだ。 僕らは母の部屋に着くと、ゆっくりと扉を開けた。 中に居る母は天井を見つめていた視線をこちらに移し、キョトンと首を傾げた。