遅い…


おかしいぞ…


楽屋を往復するだけなら10分あれば充分なはず…


すでに始まってしまっている握手会で、ファンの子たちに笑顔を向けながら
胸の中は、ざわざわとしていた。


始まる寸前に、三ツ井さんにマナカが楽屋へ行ったことを伝えてはおいたが
その三ツ井さんの姿もない。


嫌な予感しかしねぇ…


こんな時でも、笑顔を向けないといけない自分を呪っていた。



その時……


舞台の下手奥から、心配していたマナカの姿を目の端に捉えると、
マナカがいつもオレを見る顔が違っていた。


何かを訴えるような…


いや…


違う…


そう思った時、


マナカの首筋にキラリと光るものが…



マジかよっ!!!!