社長と三ツ井さんとの細かい打合せを終えて、マンションに戻ってきた。


ガチャ。


鍵を開けて、部屋の中に入ると、いつもリビングにいるマナカの姿がなかった。


おかしいな…。



「マナカ――? マーナカ?」


リビングから、寝室、浴室、名前を呼びながら姿を探してみた。


おかしいぞ…。


いつも居ると思う時間に姿がないから、余計に心配になる。。。



ポケットからスマホを出し、マナカのスマホへかけた。


すると…。


~♪~♪~


小さい音だが、マナカのスマホの着信音が玄関外から聞こえた。


ガチャ…


『あ、潤? どうしたの? 』



ガチャガチャ。


マナカが電話に出ると同時に玄関が開いた音がした。



急いで、玄関に向かうと、スマホを耳に当て、紙袋をいくつか下げたマナカが立っていた。



「あれっ?! 潤?!」


良かった…。買い物に出かけてたのか…。


オレは、心配したことを悟られないよう、笑いかけた。


「おかえり、マナカ」


「うん、ただいま…」


驚いてるマナカに傍に寄り、持っていた紙袋を受け取った。


「って…、潤、ツアーの出発時間大丈夫なのっ?!」


スリッパを履いたマナカは、オレの腕を掴んだ。