「あの……、えーっと…。

よく、あのオヤジが引き受けましたね?

社長、ムリしてないっすか?」


オレが声優になることを反対していたオヤジだし、
一切手助けはしない、って言ってたくらいなのに。。。


「まぁな…、オレ一人の力じゃないさ、ツテのツテが力貸してくれたんだ。

ただ、予定していたアジアでのツアーは中止。

代わりに、日本でのファンミーティングという形になった。

アジア側の中止の負債の一部も引き受けてくれる。」


「マジすかっ?!」


なんでだ…? 

あのオヤジがそこまでするなんて…。。


「なんとか、キャパは小さいが空いてる会場を何か所か押さえた。

来週の木曜金曜、2週間後の月曜火曜と木曜、場所は3か所。

キャパが小さい分、日にちが分散したし、続くから、体調管理しとけよ」



社長から渡されたスケジュール一覧を、ひとつひとつ確認した。



すげ…。


アジアでのチケット購入者は、日本への航空券一部負担…。

来春からはじまる2クール目のグッズ進呈。

お気に入り声優と握手会。


って、握手会ぃ~?!


「マジかよーーー!」 


キャパ、1000人だから、単純計算で一人で250人と握手ってことかよっ!!


はぁ…オレら…


死ぬぜ…。。。。


スケジュール表を机に投げ、がっくりと頭を垂れた。