「へぇー なんでまた?」


床からマナカの隣に移動して座ると、
再び衣類をたたみながらこちらを向いて


「うん、昨日午前中に怜ちゃんから私を心配する電話があってね、ちょうどパン作ろうと思って
材料出してたら、怜ちゃんも午後からオフだから一緒に作りたい、ってなって
そしたら、君やんも一緒だったの!

もう、ビックリよ、怜ちゃん1人だと思ってたら、ドア開けたら君やんが
怜ちゃんの後ろに立ってるんだもん。

それにね、君やん、すごいの!

むかーし、少しだけパン屋さんでバイトしてたことあったらしくて、
手伝ってくれてね、パン生地のこね方、もう職人さんだったの!

あ、昨日のパン、冷凍してあるからあとで一緒に食べようね!」


息つく間もなく、昨日の出来事を話したマナカをオレは頬を緩めながら聞いた


「へぇー 君塚がそんな特技あったとはなー。
声優辞めたら、パン屋出来ンじゃね?」


「えー、君やんがパン屋さん?」


手を止めて、なにやら妄想スイッチが入るマナカ。


おいおい、頭の中に他の男の姿、入れてくれるなよ。

頼むぜマナカ。


「フフッ
潤ってば、そんな難しい顔しなーいのー」


へ?


柔らかい感触が
オレの眉間を人差し指でつついた。


「潤の考えてることくらいわかってるよ、心配しないで、私は潤のことでココはいっぱいだよ」


そういいながら、オレの手をマナカの心臓のあたりに引き寄せた。


「うん…。」



フッ…


適わないな、やっぱり、オレのマナカだ…。